上げ馬神事の馬がかわいそう…と言われています。
“上げ馬神事”は、三重県桑名市の多度大社で、その年の作物の豊凶を占ったり、豊作を願ったりするというお祭りです。
断崖絶壁を勇ましい馬が駆け上がる様は圧巻で、迫力もあり盛り上がる行事なのですが、一方で“怪我をした馬に待っているのは安楽死”という現実です。
多度神社の上げ馬神事の歴史や事故についてまとめました。
上げ馬神事の歴史はいつから
三重県桑名市の多度神社で開催される“上げ馬神事”。
“上げ馬神事”とは、馬が壁を乗り越えた順番や頭数でその年の作物の豊凶を占ったり、豊作を願ったりするという意味があります。
“多度大社上げ馬神事”の歴史は、今から1500年前の1338年頃の南北朝時代に始まったと言われています。
しかし、1571年の織田信長の兵火のために記録がなくなってしまったため、いつから多度大仕上げ馬神事が始まったのかは正確な年数は分かっていません。
この“上げ馬神事”は馬が壁を駆け上がれるかどうかで、その年の作物の吉凶を占う…という変わったまつりであるため「奇祭」と呼ばれることもあります。
上げ馬神事が行われれいる場所は 三重県桑名市「多度大社」
上げ馬神事が 行われているのは、三重県桑名市にある“多度大社”です。
電話番号: 0594-21-5416 (桑名市物産観光案内所)
営業時間: 8時30分~17時00分
アクセス: 養老鉄道多度駅から徒歩25分・ 東名阪自動車道「桑名東IC」約15分
多度大社は、最寄り駅から徒歩で25分と少し不便なところにありますが、緑が豊かで空気がきれいな場所にあります。
伊勢神宮との関わりも強く“三大神社”と言われています。鳥居をくぐった先には、真っ白な神馬がお出迎えしてくれるパワースポットです。
錦山号(きんざんごう)は、おっとりしていてお顔も可愛い。
一皿100円で神馬に人参を上げることができます。
上げ馬神事は動物虐待か 神事開催のたびに署名炎上
“上げ馬神事”は、馬が壁を乗り越えた順番や頭数でその年の作物の豊凶を占ったり、豊作を願ったりする神事です。
しかし、“上げ馬神事”については「開催を反対する署名」が集まっています。三重県には1000件以上の「上げ馬神事を反対する署名」が寄せられているといいます。
それは、馬が駆け上っていく坂がとても急だからです。
実際に、多度大社で馬が駆け上る坂を見ると、かなりの勾配で大人1人がよじ登って超えていくのも困難なのではないでしょうか。その坂を、馬に登らせることに嫌悪感を抱いている人が少なくないようです。
また、馬を興奮させるために執拗に殴る蹴るの暴行を働いたりする姿が見られます。そのほか、口に竹筒を突っ込んで無理矢理お酒を喉に流し込むなど、ちょっと考えられないような行為が馬に対して行われているのです。
馬を坂の上まで登らせるために、参加している人間もお酒を飲んでいると聞きます。お酒が入っているせいか、暴言とも聞こえる言葉も飛び交っています。
ニュースの映像で見るだけでも、このようなことが映し出されているので、現場ではもっとヒートアップしている可能性もあります。
“上げ馬神事”の行事に関して、傾斜を緩やかにすればいいという問題ではないような気がします。馬に負担をかけず、時代にあった改善策があればいいですね。
上げ馬神事で骨折する馬も「回復見込めず安楽死」
なぜ、この“上げ馬神事”が「動物虐待」と言われ、お祭りが開催されるたびに炎上してしまうのでしょうか。
それは、三重県が約15年間で4頭の馬が転倒し、骨折するなどして安楽死させられていたと明らかにしたからです。
坂道を駆け上がる途中で馬が転倒して骨折しました。骨折した馬は、回復が見込めないことから獣医師が安楽死させたということです。
なぜ、馬は骨折すると、安楽死(あんらくし)させるのでしょうか?
人間のようににギブスをはめて、完治するのを待てないのでしょうか?
上げ馬神事 馬が骨折するとどうなるのか
“上げ馬神事”で坂道を駆け上がる途中で馬が転倒して骨折した馬は、回復が見込めないことから、獣医師が安楽死させたというニュース。
馬は骨折するとどうなるのでしょうか?
馬は1本の足に100kg~150kgもの負担が掛かるといいます。足を一本骨折してしまうと、3本の足でその体重を支えなければなりません。
そうすると、3本の足に馬の体重がかかりすぎてしまい、血行障害がおきます。そして、蹄(ひずめ)の内部が炎症を起こして、骨折していない足まで次々に故障が発生していくそうなんです。
馬は自分の体重を、常に4本の足で支えないと生きていけないんですね。
“上げ馬神事”の行事に関して、傾斜を緩やかにすればいいという問題ではないような気がします。馬に負担をかけず、時代にあった改善策があればいいですね。
生き物の命を使い捨てにしない形で、この神事を残していく事ができることを願います。
コメント