親知らずの抜歯手術で患者を死亡させたとして、歯科医師2人が書類送検されました。
特別支援学校に通う富川勇大さん(17)は、親知らずを抜く治療のために全身麻酔をうけましたが、適切な処置がおこなわれず死亡しました。
書類送検された男性所長(55)と女性歯科麻酔科医(34)が勤務する、堺市の重度障害者歯科診療所(堺市堺区)とはどこにあり、どのような病院なのでしょうか。
事件概要
親知らずの抜歯手術で患者を死亡させたとして、歯科医師2人が書類送検されました。
この診療所で、特別支援学校に通う富川勇大さん(17)は、親知らずを抜く治療のために全身麻酔をうけましたが、適切な処置がおこなわれず死亡しました。
☑ 特別支援学校に通う富川勇大さん(当時17)の親知らずを抜く手術で全身麻酔を行いました。
☑ 富川勇大さんは当時、呼吸を確保するため、肺に酸素を送るチューブを鼻から入れていましたが、警察が捜査した結果、チューブの先端が何らかの原因で気管から外れ、酸素が肺に十分に送られていなかった疑い
☑ 呼吸の異常を知らせるアラームが鳴っていましたが、担当した歯科医師は気管に挿入されていないことを確認しておらず、所長も確認せずにほかの原因を疑って応急処置を行ったため結果的に救急搬送の要請が40分余り遅れた
警察は、適切な処置を怠ったなどとして、2人を、業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
富川勇大さん 親知らずの治療(全身麻酔)で死亡
富川勇大さん(17)は、親知らずを抜く治療のために全身麻酔をうけましたが、適切な処置がおこなわれず死亡しました。
報道では、富川勇大さんの画像が公開されています。可愛らしい笑顔が悲しみを誘います。
父親も、勇大さんのことを
元気で心の優しい子で、治療する日の朝に見せた笑顔が忘れられません。
と語っています。勇大さんは、父親の身長も抜き、今後の成長を楽しみにしていたということで、父親の怒りと悲しみははかりしれません。
富川勇大さんは、発達障害があったということで、堺市の重度障害者歯科へ親知らず2本を抜くために受診したということです。
病院に対して、勇大さんの父親は
「(手術を受けた診療所は)体の不自由な方が治療を受けられる数少ない場所だと思っている。二度と同じような事故を起こさないためにきっちりとした対策を考えてもらいたい」
と語っています。このような事故が2度とおこらないことを心から願います。
富川勇大さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
重度障害者歯科診療所とは
今回、事件があった“重度障害者歯科”という病院があることを初めて聞いた人も少なくないのではないでしょうか。
重度障害者施設とは
障害のある方で一般の歯科診療所での治療が困難な方々を診療するための歯科診療所
です。
一般歯科との大きな違いは、
患者さんが治療中に不意に動き出したりする可能性が高いため、クッションを利用したりしてコントロールを行う必要がある
という事です。 また、安全面から点滴注射や安定剤の投与でリラックスした状態を作り、治療を進めることもあるそうです。
富川勇大さんは17歳で、力加減は大人の男性と変わらないくらいだと思われます。治療中にもしも…のことがあることを考慮しての全身麻酔だったのだとは思いますが、なんともいたたまれない事故に心が痛みます。
堺市の重度障害者歯科診療所はどこ
今回事故があった病院は
大阪府堺市の歯科診療所(重度障害者歯科)
と報道されています。
“堺市” “重度障害者歯科”
で 検索するとこちらの視界がヒットしました。
またX(旧ツイッター)では
この重度障害者歯科診療所に隣接されている歯科衛生士学校の現役生徒です。
とのポストがあり、こちらの診療所が、歯科衛生士学校と隣接していることから、堺市重度障害者歯科ではないかと憶測されます。
堺市重度障害者歯科診療所とはどのような診療所なのでしょうか。
口コミをみてみました。
堺市重度障害者歯科診療所 口コミは
堺市重度障害者歯科診療所について口コミを検索しました。
患者にあった丁寧な治療をしてくれる
ここはかなりの先生方がおられ、かなりな予約が必要です
と、良い評価がみられました。
その一方で
医療事故に対しての誠意がない
と、過去にも治療に何かしらの不備があったことが憶測される口コミもみられました。
しかし、数少ない障害者を安心して診てもらえる歯科診療所として、安心して通う患者さんやご家族が多かったようです。
障害児の歯科治療に全身麻酔は必要か
重度障害者歯科とは
障害のある方で一般の歯科診療所での治療が困難な方々を診療するための歯科診療所
です。
一般歯科との大きな違いは、
患者さんが治療中に不意に動き出したりする可能性が高い事があるため、安全面から点滴注射や安定剤の投与でリラックスした状態を作り、治療を進めることもあるということです。
そういった意味合いから、障害を持っている患者さんの歯科治療に全身麻酔が必要な場合もあると思われます。
実際のところ、全身麻酔で死亡する確率はどのくらいなのでしょうか。
全身麻酔で、死亡してしまう確率はかなり少なく、交通事故死の可能性の2000分の1程度だということです。
今回は、充分な処置をしていればおこらなかった事故でしょう。
このような事故が2度とおこらないことを、心から願います。
冨川勇大さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
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